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「大丈夫か!?」
目の前で交わった二つの刃。聞き覚えのある声。その持ち主は、男からナイフを吹っ飛ばすと簡単に拘束した。命の危機が去ったとわかった瞬間、気が緩んだのか体から力が抜けてへたり込んでしまった
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「立てるか?おい?」
アル
「あなたは…」
私に手を差し伸べてきたのは黒髪の、黒い瞳を持った男性…昨日お会いしたミコト・アマツキ様だった。何故ミコト様が?
アル
「!ジェシカ様!ジェシカ様は!?」
捕まったままの筈!
ミコト
「ジェシカ殿ならセツが」
へたり込んだまま後ろを振り向くと、ジェシカ様を捕まえていた男を縛るセツと、こちらを心配そうに見るジェシカ様がいた
…ジェシカ様1人守れないとは、助けられるとは、護衛失格だ
ミコト
「呼ばれたから来てみれば…本当に危なかった。とりあえず此奴等は警察に連れて行く」
彼はそう言うと、犯人共を使用人達に渡した。それを見届け、剣を仕舞うとこちらに向き直った
ミコト
「…で、どうして護衛を付けておらぬのだ?」
鋭い視線が私に向けられる。当たり前だ。私は護衛なのにジェシカ様を守りきれていなかった
ジェシカ
「それは私がそうしたからですわ!アルさんにはなんの非もございませんの!!私がっ無理矢理…」
ジェシカ様がセツの制止を聞かず、こちらに走りよる。そして私を抱き締めるとひたすら謝られてしまった
アル
「ジェシカ様のせいではありません。私が強く申し上げていればこんな事には……。私が悪いのです。私が力不足だったんです」
だから、泣き止んでください
泣き止ませようと優しく頭を撫でると、さらに泣いてしまった
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