第三宵

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セツ 「ミコト様…ダメじゃないですか、泣かせてしまっては」 ミコト 「我は他の使用人をどうしたのか、と問うただけなんだが」 セツ 「ミコト様は刃物のようなお顔付きをされてますから気をつけませんと」 ミコト 「刃物のような顔付きって何だ」 あぁ、更に迷惑をかけてしまっている。どうにかしないと アル 「ジェシカ様、謝らないで泣き止んでくださいまし」 ジェシカ 「でも…アルさんがっ……危険な、目に…ふぇ」 とめどなく流れる涙を拭うが、もはや効果がない アル 「…今回は久々で油断してしまいこんな自体になってしまいましたが、本来はよくある事でございます」 ですから泣き止んでください。このままでは話が解決しません…こうなったら アル 「ジェシカ様……今度ご一緒に菓子作りをなさいませんか?」 ジェシカ 「っするわ!しますします!!」 ミコト・セツ 「「…」」 無事泣き止みましたね。相変わらず菓子作りがお好きなようでよかった。菓子作りなどは使用人がしますので、と普段から止められているジェシカ様ですからきっと乗ってくれると思いましたよ ミコト 「……とにかく、女性2人きりで出歩くべきじゃない。使用人のとこまで送ろう」 セツ 「さぁ、お立ちください」 セツはジェシカ様を立ち上がらせると、何故か私に手を差し出してきた。何だか気持ち悪い セツ 「おまっ、気持ち悪そうな顔すんじゃねーよ」 顔に出ていたか。気をつけないと でも気持ち悪い事にはかわりない。護衛の私に手を差し伸べるとはこいつはどうかしたのか?私は貴族の令嬢ではない 手を借りずに自力で立ち上がって、ついた砂を払うと何故か淋しそうな顔をされた。ジェシカ様も同じような顔をなされてた。何故だろうか
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