第三宵

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ジェシカ 「…さて、気を取り直して家具屋ですわ!入りますわよ!」 アル 「はい」 ジェシカ 「……アルさん?」 アル 「…わかった…」 敬語に戻そうとしたのがバレてしまった 中には様々な家具が置かれ、値段もピンからキリまで。奥に行くほど値段も高くなるらしく、進めば進むほど金額の桁が増えていく。が、それと同時に質も上がっているので文句もない ジェシカ 「なにをお探しですの?」 アル 「本棚だ。できるだけ沢山入るものがいい」 そう言うとジェシカ様は嬉々として本棚を物色され始めた。…これも主の為だという事は黙っておこう。一応、主の本は私も読んでいい事になっているから私の為でもある筈だ 主はよく本を読まれる。本を読むと知らなかったものが知れたりするのが面白い、と暇があると窓の近くに置いた椅子に座って読まれている。次から次へと新しい本へ移るのでもう本棚が一杯一杯だ 使用人も交えて探しに探した結果、初めに店員に勧められた本棚になった 白を基調とした私の背をゆうに超えるそれは、僅かな装飾がされているが派手ではなく慎ましげにその存在を放っていた 店員曰く、材質もよいものを使っていて長持ちするそう。そのわりには値段も抑えられていていい買い物をしたといえる 本棚は屋敷に届けてもらうようにして私達は最後の目的地・本屋へと向かった 勿論、馬車に乗って ジェシカ 「あ、アルさん…聞いてもよろしくて?」 どうされたのだろうか?先程まで笑顔だったジェシカ様の顔は真剣そのものだった
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