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都に駐在している兵は現在殆ど出払っていて現在文官にまで声がかかる始末である。
それもこれも御落胤捜索の為だった。
早速問題の水の間に向かった二人は原因の扉を見詰め大きなため息を付く。
中は水でいっぱいなのか軋む扉の隙間からちょろちょろと水が溢れ出ていた。
沢山の兵が詰め寄って居るが水圧の強さから誰も部屋に入れずやきもきとしている。
そこへ青藍が名乗りを上げた。
「扉は俺が何とかしよう。」
その言葉にざわつく中、新参者のお前に何が出来ると野次を飛ばす者も居て青藍はそれを鼻で笑い飛ばす。
「俺を信じて見ていて下さい。」
青藍は冷静に札を撒き術を唱え始める。
するとガタガタと扉が音を立て次の瞬間勢いよく開いて、構えていた兵達はなみなみと溢れた水が決壊して流された。
青藍の背に隠れていた帝はがら空きになったそこに目掛けて背を押される。
「帝今だ行け!」
その言葉に従うままに帝は剣で雨師を切り裂いてその事で雨師の目に正気が戻る。
「私を止めるのは貴様か!」
「そうだあんたは意識を負に囚われていた。
矛を収めて大人しくするんだな。」
見る見るうちに真っ赤になって怒り出そうとした雨師の鳩尾に間髪入れずに帝の剣の柄が入り雨師は意識を無くし崩れる様に倒れた。
溢れていた水は意識を手放した事で収まり辺りから水が引いていく。
すると騒ぎを聞きつけて和修吉竜王が現れ驚きの声を上げた。
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