第一話官吏の仕事

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その上、王が病に伏せりもう長くない事を知り帝は動揺した。 「大丈夫、俺の親の筈がない。」 仕事に集中しなくてはと思えば思う程、集中出来なくて硯を落としたり巻物をぶちまけたりと失敗した。 挙句の果てには上司から心配され同僚から励まされる始末である。 「俺ではない他の誰かが神子様に成れば…」 ぼそりと呟いた言葉に同僚が反応した。 「帝はもしかして親が違うのか?」 コクリと頷けば同僚が息を呑む。 「そうかなら竜王様に会った方がいい。 違うのかそうなのかは分からなくても今の不安は打ち消せる筈だ。」 「それだけは駄目だ。 もしも俺が御落胤だった時に笑えない話だ。 俺に国を治めろだなんて重すぎる。」 帝は重い重いため息を付く。 「俺は静かに暮らしたいだけなのに…」 「じゃあ今の事秘密にしといてやるから仕事に集中しろ、ひっそりとしていれば見つからないかもしれない。」 「お前名前は?」 「李青藍という。」
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