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『……かったりぃ…。』
そう思いながらも俺は入口の自動扉をくぐり、建物1階ホール中央にある受付カウンターへと向かう。
そこには制服姿の2人の女性がいて、1人は電話対応中でもう1人は俯いて何か作業中の様で、俺には気付いていないようだった。
『…………邪魔するのも何だかなぁ……』。
おれはそう思いながらも申請しないと始まらないので、仕方なく声を掛けた。
「…………すみません。」
俺がそう声を掛けると俯いて何か作業をしていた女性は顔を上げて返事をした。
「はい、何でしょ………。」
女性は俺の顔を見て言葉が止まった。
『ぁ~………確か元カノの職場ってここだったなぁ……。』
俺は忘れていたがここは元カノの職場。
しかも声を掛けたのがその本人だとは思いもよらなかった。
『………マジか…。
二度と顔を合わせたくなかったんだが……。』
俺はフられてから二度と顔を合わすまいと思っていた。
そうじゃないとヨリを戻したくなるからだ。
そう思っていると元カノは興奮気味に話しかけてきた。
「………私の仕事場まで押し寄せてきて何か用ですか?」
何を勘違いしたのか元カノはそう言い放った。
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