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「……あ、れ?こっちじゃないの?」
僕は思わず、そんな間抜けみたいな声を出してしまった。
本当に間抜けみたいだ。そのままにしていれば大人しく帰ってくれるかもしれないのに。今の発言は、自分で自分の首を絞めているとしか思えない。
しかしそんな僕の言葉に少女は首を傾ける。
「血が出ているのに、傷を増やす必要はないです。そんなことしたら痛いでしょう?」
……信じられない事を言われた気がした。
昨今の吸血鬼はこんなに思いやりがあるものなのか?
いや、どうせ殺されるなら関係ない気もしないではないが。
「……ふぅ。美味しかったです。ありがとうございました」
くだらないこと(?)を僕が考えている間に、少女は食事を終えてしまったようだった。……終えてしまった!?
「あれ……僕、生きてる」
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