鑪 利和

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釣竿を持ち、家を出ると向かったのはすぐ横の川。 川にできるだけ近づき、その場に座り、えさミミズの付けた針を静かに垂らす。 糸は短く、竿は木でできていてオモリやウキなど付いてはいない。 一般的な釣りゲームの派手なキャスティングは出来ないけど簡単で良い。 しばらく待つと、竿がしなり糸が強く張り、HIT!と表示が……。 書かれなくても、分かってます! 強く上に引き上げると、思いのほか簡単に釣り上がる。 糸の先にいたのは10cmほどの小魚。 スマートな体に鮮やかな青い体色、ヒレは黒い線の入った水色で尾びれが鋭角に分かれている。 釣った魚の情報を見るが、体長、重量以外の情報は未鑑定とある。 後で知ったことだが、魚屋で鑑定をしてもらうか、図鑑を購入することで情報が開示されるのだった。
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