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父が突然、再婚の話をして来た…驚いたけど、父は男ひとつでアタシ(向井ヒカリ)を育ててくれたから反対はしなかった。
「来週、会ってみないか?あっちの連れ子でお前と同い年の息子がいるんだが…」
「いいよ。」
アタシはすんなりOKした。父には幸せになって欲しいって素直に思えたから。
すぐに会う日は来た。少し高級そうなホテルのレストランで食事会は始まった。
「ヒカリ、お義母さんになる……。姉弟になる………。」
アタシは凍りついていた。父の言葉が全く耳に入って来なかった…。再婚相手の息子は、ハルキだった。
そう…アタシは中学3年の時ハルキと付き合っていた。
なんとなく、ハルキの家に行った時、ハルキの気持ちには気付かずにゲームに熱中してた。好奇心旺盛だったあの頃。ハルキに押し倒されたアタシは払い退けて逃げてしまった…それからと言うもの、ハルキを無視し続けて自然消滅してしまった。卒業してからは一度も会っていない。
気まずい再会になってしまった。
「ヒカリ?聞いてるか?咲子さん(再婚相手)済まないね…ヒカリは緊張してるみたいで。入籍が済んだらすぐにでも同居しようとおもってる。」
「こちらこそヨロシクお願いします。お義父さん。」
ハルキは顔色一つ変えずに答えた。アタシは複雑な気持ちなのに。
「同居となると、ハルキのS高校は通うのは遠くなるよね?編入したら?」
義母は尋ねると、
「いきなりの話だし少し考えさせてよ。」
ハルキは表面では笑顔だったけど、困っていたと思う。初対面の父を前にしてた訳だし。アタシも居たし。
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