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朝、いつも通りの教室
「お早う~(^-^)義弟クンと仲良くしてる?」
話しかけて来たのはクラスメートの相澤トモコ。何気に面倒見が良く、頭もいい。
「うぅん、そこそこ上手くいってるよ~。」
「なんか引っかかるなぁその発言!」
トモコは頭がいいだけあって鋭いなぁ。
「実はね、義弟はマザコンでキモいやつなのよ~(>ε<)」
いくら適当とはいえ、元カレをこんな風に言うのは気分よくないけど、この場は仕方ないという事で。ハルキごめんね。
「マジで~(T.T)いくら義弟出来てもそれじゃ嬉しくないねぇ…」
「俺、やっぱり編入するよ!」
ハルキの声が聞こえてきたのはリビングからだった。アタシは思わず廊下で立ち止まった。
「そうか…ハルキ君の頭ならT高校はすんなりテスト通るんじゃないかなぁ。2年生じゃ中途半端だけど、まぁ頑張ってみなさい。」
父の声がした。出るに出られない。ハルキがT高に来るかもしれないんだ。やっぱ通学が辛かったのかな?
数日後、ハルキは編入試験に合格した。そして、今日転校して来る。
「ねぇ~聞いた?A組に転校生来たんだって。クールでイケメンらしいよ(^◇^)」
早速クラスの女子がハルキの話を始めた。
「ヒカリ!!A組のイケメン!義弟なんだって?どこがマザコンでキモいのよ!(ToT)」
はは…ιヤバい。ゴマかせないかも。トモコごめん。
「向井~俺さぁ噂聞いたんだけど、中学の時義弟と付き合ってたんだって?」
クラスの男子が野次を入れてきた。
「毎日ウハウハじゃん!」
止めてよ皆がいる目の前で。そんな事。アタシとハルキはそんなんじゃないのに、ヒドイよ。
「だったらどうなの?羨ましい?」
ハルキが突然アタシと男子の間に割って来た。勿論そんな事を言えば、クラスはざわめく。
「ハルキ!誤解される様な事言わないでよ。」
「行くぞ。」
ハルキはアタシの腕を掴んで廊下に連れて行こうとする。
「えっ…どこに?」
「校内案内。」
アタシは拍子抜けしてしまった。
転校初日にアタシ達の事あんなふうに言われて嫌だったはずなのに、ハルキは助けてくれた。おまけに付き合ってたなんて誰にも知られたくないよね…裏切ったのはアタシなのに。ハルキはだんまり。どう切り出したらいいんだろう…。
「ハルキ…編入しようと思ったのは、やっぱ通学するの辛かったから?」
「カノジョと別れたから」
それだけの理由で決めちゃったの?それだけ真剣だったって事だよね。
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