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20++年 春。
雲一つない青空で、今日も朝を迎える。
早速だが、俺 一ノ瀬 慎-いちのせ まこと-(16歳)は、この物語の語り部として ナレーションの肩書きを背負うとしよう。
というわけで、長い付き合いになると思うが、どうぞよろしく頼む。
因みに、只今の時刻AM7:20
そろそろ起床せねばならない。
春先、暖かくなりつつあるとはいえ、さすがに布団から抜け出すにはそれなりの時間を要するようだ。
「まことー!!いつまで寝てるつもりだ コラ!」
…とんだ邪魔が入っちまったぜ…
俺の部屋のドアを叩きながら叫んでいたのは、この家の主で俺の従兄弟である一ノ瀬 瑞樹-いちのせ みずき-だ。
今年で27歳になる予定…
そんな彼だが、外見は実年齢より とても若く見えるため、高校生だと言われても疑いの念すら抱きようもないことだろう。
「とっとと起きやがれ!!」
おっと、これ以上無視すると 今夜の夕食がなくなりそうだ。
「起きるよ 起きたよ」
慌てて布団から出ると、部屋のドアを開けて顔を出す。
「おう、おはよう」
朝からテンションの高い瑞樹は、俺の顔を見て ニカっと笑みを見せた。
「…おはよう」
「よし。早く準備しねーと遅れるぞ」
欠伸混じりで返すと そう言われ思い出す。
今日は、俺が通うことになった学校の
始業式なのだ。
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