花一華

3

立ち昇る一筋の煙の向こう。

静かに眠る私の亡骸は、あんな事故に遭ったのにとても穏やかで。

それを静かに見下ろしながら私は小さく微笑んだ。

棺の中の私は…たくさんの花に囲まれている。

和人が初めてプレゼントしてくれた、プリムラ。
永遠に続く愛の絆、ストック。
変わらぬ愛、キキョウ。

そして真紅の花一華、アネモネ。

花言葉にこだわる私のために、和人が選んでくれた花たちなのだろう。

「和人、ありがとう」

きっと彼には聞こえないだろうけれど。

「あなたを愛せて…私は幸せです」

これは終わりじゃない。

だから幸せでした、とは言わないのだ。

この愛は…

…永遠に続くのだから。