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由紀子だって…あんなにも優しいご主人がいるくせに。 なんで…和人なの…? 悔しくて悲しくて、たまらなくなって。 私はその場から走り出した。 よりによって、結婚記念日の待ち合わせでこんな場面を見せるなんて…。 もう和人は私が必要ないのだろうか。 それなら… こんな形ではなくて、言葉で言って貰った方が良かった。 零れ落ちそうな涙を堪えて、私は再び電車に飛び乗った。 このままどこかに消えてしまいたい。 私がいなくなったら… 和人は探してくれるのかな。 ああそうか…。 きちんと離婚しなくてはならないから、ここから消えてしまう訳にはいかないのか…。  
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