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20年も連れ添って来たのに、終わりが来る時はこんなにもあっけないものなんだ…。 そう考えたら惨めな自分に笑いが込み上げて来る。 途中どうやって家に戻ったのか記憶すらなくなって。 気付いた時には、ベランダで花を咲かせたアネモネをぼんやりと見つめながら、私はただひたすら泣いていた。 薄れゆく希望と真っ暗な部屋。 電話すら掛けて来ない和人は、今夜は帰って来ないのだろうか。 そう思った時だった。 玄関の扉が開いて、リビングの電気が灯るとそこに立っていた人物の姿に私は固まる。 …どうして…? どうして… 由紀子がここに来るの?
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