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ベランダからリビングへと吹き込んで行った夜風が、カーテンをゆらゆらと揺らす。 それをじっと見つめていた由紀子がポツリと呟いた。 「なんでよ…」 そんなの…私の方が聞きたい。 どうして由紀子がこの家の鍵を持っているのか。 「なんで…由紀子…?」 ポツリと呟いた私から、すっと視線を外した由紀子が寝室へと入って行く。 「ちょっと!由紀子! あなた一体何なのよ!」 慌てて由紀子を追いかけ、ベランダからリビングへと飛び込み寝室へと追いかけた。 そこで私の目に映ったのはクローゼットから、和人の服を取り出す由紀子の姿だった。
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