755人が本棚に入れています
本棚に追加
その時、泣いていた和人がピタリと揺れていた背中を止めた。
ゆっくりと振り返った和人の瞳が、じっと私を見つめる。
まるで私の姿が見えているかのように。
「和人?どうした?」
問いかけた工藤さんに和人は、しばし黙ったまま瞳を動かさない。
「和人…私が見えるの…?」
ポツリと問いかけた言葉に、和人は静かに目を伏せた。
「いや…なんだかここに麻里子がいたような気がしてさ…」
和人の言葉に、工藤さんは彼の肩をもう一度叩いた。
最初のコメントを投稿しよう!