星に願いを

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「………ひ……ひどい……」 柚子の目に涙が浮かぶ。 そうして苛むように強く証を睨み付けた。 「………何がひどい? 主人が自分の持ち物をどうしようが勝手だろうが。奴隷のお前にとやかく言う資格はねーよ」 「………………!」 あまりにも非情な言葉に、柚子は耳を疑った。   「だからって……だからって何も髪の毛切ることないじゃない!」 悔しさで泣くのを止めることができずにボロボロと涙を零してそう言ったが、証は顔色一つ変えずに柚子を睨み付けた。 「…………誰が悪いんだ?」 「………………」 「自分の立場もわきまえずに、ホイホイと警戒もせずに男の車に乗り込んだお前が悪いんだろうが」 柚子はキュッと唇を噛み締める。 証は尚も続けた。 「お前はこれぐらいしねーと自覚持てねーんだろ。……これに懲りたらもう二度と軽率な行動は慎むんだな」 「………………っ」 次の瞬間、柚子は力任せに証の体を突き飛ばしていた。 無防備だった証は勢いよく床に腰を付く。 柚子は立ち上がって強い瞳で証を見下ろした。 「…………もう……たくさんよ……」 証は黙って柚子の顔を見上げる。 「………もうこんな生活耐えらんない! 契約なんかこっちから破棄してやるわ……!」  
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