21発の花火

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「証の手、あったかくて気持ちいい」 「………………」 「意地悪なくせに、体温はあったかくて、優しいね……」 「……………っ」 たまらず証はぎゅっと柚子の体を抱きしめていた。 洗いたての髪の香り。 触れ合った冷たい頬。 自分の腕の中で徐々に高まっていく体温。 そして、重なった胸に伝う、規則的な鼓動。 証は柚子を抱きしめながら、きつく目を瞑った。 ………柚子が欲しい。 今、改めて強くそう思った。 証は柚子から手を離し、身を起こして柚子の顔を見下ろした。 柚子の両手に自分の指を絡ませる。 そうして低い声で呟いた。 「抱くぞ」 証の熱い瞳を見つめながら、柚子は思わず息をつめた。  
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