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「オレはどうすりゃいいと思う?」
「………それを決めるのは他でもないアニキっスよ、それに僕の知ってるアニキはそんな情けないこと聞かないっス」
「…………うるせ」
「でも、アニキの答えを待ってる子がいるのは確かっス、アニキ……女の子を泣かせる男が一番格好悪いっスよ」
「…………いつになく上から目線だな」
「そうっスね、彼女持ちとそうじゃない違いっスかね」
「このヤロー、リア充爆発しろってか」
「アハハ」
僕から言わせたらアニキの方がよっぽどリア充っスよ
「…………と、僕から言えるのはそれだけっス、邪魔者はそろそろ退散するっスよ」
「邪魔者………?」
ザッ………
「アキ……」
「優香……」
和宏と入れ替わるように優香が章人の前に立つ
「何だよ、まさかお前もデートしようって言うんじゃねぇだろーな?」
「その口ぶり、他の娘とはデートしたんだ」
「なかば強制的にな……」
「ここからの夕日はほんと綺麗よね」
優香は章人の隣に並び橋から夕日を眺める
「ガキの頃から好きだよなお前この場所」
「あたしの一番好きな場所だもん、アンタと初めて会った場所、アンタと初めて喧嘩した場所、アンタと初めて……仲直りした場所、ここはあたしにとって忘れられない場所だから」
「…………」
そういやそうだコイツと初めて会ったのもこの場所だったな
「アキ……」
「…………ん、!?」
優香が真剣な表情でこっちを見詰めている
久しぶりだな、コイツのこんな真剣な顔を見るのは……
「………」
優香はギュッと手を握り締め、口を開く
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