第一回『ファンタジックロジック』

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   エリヤ姫の証言  私はもちろん、勇者さまには感謝しきれないほどの感謝をしております。塔に囚われていた私を救ってくださり、さらに私を抱えて宿まで連れていってくれたのですから。  ですが、その夜のことだけは屈辱のあまり拳を固く握り締めましたわ。というのも、勇者さまったら部屋のベッドで横になるなり、眠りこけてしまうのですよ。長旅で疲れてらしたので仕方ないとはいえ、また、身勝手なのはわかっていますけど、年ごろの男と女が一つの部屋にいたら、イベントの一つや二つ起きて当然ではありませんこと? なのに、勇者さまはとなりでイビキをかく始末。あんまりじゃない。悔しかったから、私、朝こそはと、勇者さまにぴったりと寄り添いましたわ。  あの、誤解されては困りますが、私、決して欲求不満だとかハレンチな行為を望んでいたわけではなくてよ。もし勇者さまが色欲のままに迫ってきたら殴り飛ばしますわ。でも、世の中にはお約束の展開ってものがありますでしょ?
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