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ズシン、ズシン……。
どこからともなく地響きが聞こえてくる。
なに?これがさっきまでの穏やかな森なの?
木々は不気味にざわめき、小鳥たちがあわてたように飛び立っていった。
突然、背後の木々がバリバリバリッと大音響を立てて倒れていく。
ううん、倒れたのではない、なぎ倒されたのだ。
邪悪なドラゴンによって……。
巨大な身体、とがった牙と爪、するどい瞳。
そして――その瞳には私の姿が映っている。
逃げなくちゃ……!動け、私の足!
ほら!動けってば!
だめだ。
身体が思うように動かない。まるで人形みたい。
ドラゴンは大きな口を開けて私にせまってくる。
た、食べられちゃうよぉ!
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