プロローグ

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ズシン、ズシン……。 どこからともなく地響きが聞こえてくる。 なに?これがさっきまでの穏やかな森なの? 木々は不気味にざわめき、小鳥たちがあわてたように飛び立っていった。 突然、背後の木々がバリバリバリッと大音響を立てて倒れていく。 ううん、倒れたのではない、なぎ倒されたのだ。 邪悪なドラゴンによって……。 巨大な身体、とがった牙と爪、するどい瞳。 そして――その瞳には私の姿が映っている。 逃げなくちゃ……!動け、私の足! ほら!動けってば! だめだ。 身体が思うように動かない。まるで人形みたい。 ドラゴンは大きな口を開けて私にせまってくる。 た、食べられちゃうよぉ!
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