そんな毎日

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あいつは、『谷原秀平』。名前の通り男で、このクラスで唯一オレに話しかけてくる人物だ。 自分でルックスが良いとか言っていたが、まぁ普通だ。ちょっと童顔だな。 そして頭脳明晰とも言っていたが、あれは完全にウソだからな。テストじゃオレと同じで赤点ギリギリ。でも、スポーツができるってのは本当だ。あいつはこの学校に、スポーツ推薦で入学してる。 あとは……"不良"だな、うん。 一人称が『ボク』で、やや童顔にも関わらず、谷原は不良をやっている。髪の毛も金髪だしな。あいつはオレと同じで遅刻の常習犯で、授業だって平気でサボる。もしかしたら、オレよりひどい。 っと、ついでにオレも軽く自己紹介しておくか。 オレは、矢崎桃也(やさきとうや)。谷原と同じで高校三年。自分ではどこにでもいる普通の高校生だと思ってるのだが、なぜか周りからは『不良』と見られているらしい。 やはり、目つきが少し鋭いせいか? あと、制服もだらしなく着てるからか? 遅刻もするし、授業だって平気でサボるし……だから、周囲からは不良っぽく見られ、恐がられている。 まぁ、授業をサボったり遅刻する奴なんて、この学校じゃあオレと谷原くらいなもんだ。 オレや谷原が通うここ、『藤波学園』は基本真面目な奴が多く、教師はほとんどが温厚。もちろん、オレたちを注意してくる教師もそれなりにいるが。 そして、真面目な生徒が多いせいで、オレと谷原の素行の悪さは余計目立ち、二人揃って周囲から不良扱いされ、恐がられたり煙たがられされたりで、もうすっかりオレたちはこの学校では有名人。 一応付け加えておくが、不良に見られてるからってオレたちは別に、生徒をカツアゲしたりとかそんなアホな事はしない。 まぁ、他校の連中とたまにケンカになる事もあるが、基本学校内で問題を起こしたりはしない。 「お待たせ矢崎ぃ!」 すると、金髪頭のバカがパンの入った紙袋をさげ元気よく教室に戻ってきた。 「いや、別に誰もお前のことなんか待ってねーから」 「ひどっ!! でも本当は、ボクがいなくて寂しかったんだろ~? このこの~」 戻ってくるなり、谷原は自分の席に座り菓子パンの袋を開けながらニヤニヤと肘で突ついてくる。 「チッ、うっせぇな~。土に還すぞテメェ」 「ヒィィィ!? ボク肥料にされちゃう!?」 「ったく、いいからさっさと食え。昼休みもう終わっちまうぞ?」 「へーい」
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