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オレたちはそんなバカなやり取りをしながら、いつものように昼休みをのんびり過ごす。もうこれが当たり前となっている。
クラスの連中はそんなオレたちをまるで同じこの空間にいないかのように避け、各々昼休みを自由気ままに満喫する。
「なぁ、あそこの大学の──」
「ねぇねぇ、私ここ志望校なんだけど──」
「あっ、その問題はあの大学の出題傾向からすると──」
そして聞こえてくる話し声は、進学の話についても多くなった。
この学校はそこそこの進学校だ。だから、ここに集まる半分以上の生徒は頭が良い。
しかし、谷原みたくバカでも中学の頃スポーツでかなり良い成績を残せば、この藤波に入れる。藤波学園は、スポーツにも力を入れている学校だからな。
そして、生徒の半分以上は高校二年から大学受験を意識し始め、とにかく勉強の話や進学の話、そして将来の話ばかりする奴がほとんどだ。
まぁ今はもう高校三年だから、真剣な奴は休み時間も真面目に自分たちの進路について話し合ったりしている。
「ホント、みんな進路に真剣だよね~。ボクたちと違って」
「ああ……そうだな」
菓子パンをかじりながら、谷原はクラスの連中をどこか冷めたような目で見つめる。もちろん、オレも。
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