そんな毎日

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「じゃあまず、こっちの泣きそうな女の子からね。この髪がショートの子は、うちのクラスの委員長で橘由衣(たちばなゆい)。そんで、こっちのツンとした暴力女は──」 「誰が暴力女よっ!!」 ドカッ!!! 「回し蹴りーっ!? ごふ……」 「動かない……まるで屍──」 「だから生きてるよッ!! あぁもう!! だから、このやたら暴力的な女は橘由香(たちばなゆか)! ボクたちの隣のクラス六組在籍で、橘由衣の姉で、髪は妹と違ってロングで、同じく委員長! そしてこの姉妹は双子!! そんでボクたちとは高校二年からのお知り合い! これでいいでしょっ!!」 「ああ、そう言えばそうだったな。じゃあ、もう用済んだから消えていいよお前」 「消えないよっ!? 人を幽霊みたく言うなよ!!」 おぉ、泣きながらのツッコミか谷原。だいぶツッコミキャラが板についてきたじゃないか。 「はぁ……何やってんのよアンタたちは。 とにかく、今日は掃除当番なんでしょ? いつもサボってるんだから、たまにはやっていきなさいよ」 あきれたため息をつく橘姉──もとい由香。 「えぇ~、だってめんどくさいしぃ~。それにボク、これから用あるしぃ~」 「あ、そ、そうでしたか。用があるなら仕方ないですね。引き留めてしまってすみません」 谷原は明らかに嘘くさい口調で掃除当番から逃げようとするが、人の良い橘妹は素直にそれを信じてしまい、眉尻を下げ申し訳なさそうに笑う。 まったく、姉とは真逆で、こいつはすぐ引っ込む性格してるからなぁ。 「あぁー、気にしなくていいぞ別に。そいつこれから、ゲーセン行こうとしてただけだから」 「ちょっ!? バカ矢崎っ! 今それ言ったら……!」 「ふ~ん……? 要はサボりじゃない……ねぇ秀平?(ニッコリ)」 「ヒィィィィ!?」 橘妹がなんだか可哀想に思え真実を口にすると、わざとらしいくらい由香がニッコリ笑う。ってか、後ろからなんかオーラ出てるぞオイ。 「あ、いや、これはですね由香様……いろいろと事情がありましてぇ……」 「フン……問答無用っ!!!」 「ぎゃぼおぉっ!! ま、また回し蹴り……ぐふっ」 「南無……安らかに眠れ谷原。そして、土に還れ」 「ぐっ、だからボクはまだ死んでなんか……」 まぁこんなアホなやり取りは置いといて、直接言われちゃあ仕方ない。
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