サイレント・ラブ

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――出逢いは、偶然だった。 本来なら、出逢うことのない相手。 逢えたとしても、言葉を交わすことすら、許されない存在――。 わたしにとって、この出逢いは“奇跡”だった。 なのに、貴方はそれを“運命”だと言った。 もしこれが、本当に“運命”だと言うのなら、わたしは、夢を見てもいいのだろうか。 許されるはずのない想い。 叶うはずのない恋。 たとえ現在[いま]があったとしても、わたしたちの関係に、未来などない。 一筋の光さえも見えない。 ……わかっている。 わかっているのだ、頭では。 誰かに言われるまでもなく、わたしがいちばん――。 それでも。 それでも、わたしは信じたい。 貴方の想い。 わたしたちの未来を。 貴方は、わたしのすべてだから――。 ……愛しています。 貴方のことを、心から――。
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