したたかな寄生虫

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私はごく自然にレイラの呼びかけに反応したふりをした。 「今日2限休講だって」 「えー。いきなり? 先生もやる気ないんだね」 「その時間レイラもヒマだよね? 私、話したい事があるんだけど」 「え。何、何? 超気になる。いいよ。聞く聞く。あ。椿ネイル見せて。昨日の写真もすっごいイイねとコメントついたんだよ」 承諾する前にレイラは私の左手の指先を一つ一つ点検し始めた。本当にウンザリするけど、それもこれまでだ。 1限が始まると私は講義の内容も上の空でレイラを踏みつける絶好のチャンスを最大に活かす方法ばかりが脳裏にうかんだ。
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