したたかな寄生虫

9/38
前へ
/38ページ
次へ
大学構内で人気のない場所なんか限られている。私はレイラを連れ出して、この時間なら人少なな事が確信できる10号棟の屋上に連れて行った。 「こんな所あったんだ?」 レイラはご機嫌で屋上のコンクリートをリードを外された犬みたいに走り回った末、柵に捕まって下の景色を眺めている。 突き落としてやろうか? そんなシンプルな衝動が湧き上がってきて驚く。 いくらレイラが邪魔でも、そこまでの憎しみがレイラに対してある事がわずらわしい。  
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

269人が本棚に入れています
本棚に追加