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いきなり開くドアに落ち着き始めた心臓はまた大きく跳ねてしまった。
「待ってくださいって言ったじゃないですか!」
「待つ必要がないくらいに部屋は綺麗だけど?」
ニコリと笑われてしまうともう何も言い返せない。
事実、彼の言ってることは正しいのだから。
ストンと座る彼に比例して美穂は立ち上がる。
「あ、えとすぐにエアコン入れますね」
「そんなに急がなくても大丈夫だよ」
そう言われてもじっとしていられない。ベッドのそばにおいてあるリモコンを手にしてエアコンのスイッチを入れる。
小さな音を立てて冷たい風を吐き出すエアコン。
「あのっ、ペットボトルのアイスコーヒーしかないんですけど」
「それでいいよ」
「えと、ミルクと砂糖は?」
「いらない」
そんな返事に「分かりました」といいながら部屋を出て、ホッと息を付いた。
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