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キッチンへ行ってグラスを用意。氷を入れて、それにコーヒーを注ぐ。
そのグラスをトレイに乗せて自分の部屋に。
そこにはベッドを背に座る彼がいて、
「ホント、いつも綺麗な部屋だね」
なんてニコリと笑う。
「あまり見ないでください。隅に避けただけだし」
「大丈夫、タンスとかクローゼットの中までは覗かないし」
「当たり前です!」
そう言いながらグラスを差し出すと当たり前のように「ありがとう」という声と笑顔が返ってきて、それだけでドキッとさせられてしまう。
意識しないように、いつも通りに――。
そう思えば思うほど、胸のドキドキは収まらない。
「それじゃ、約束通り家庭教師してあげる」
「――っ」
あげるって――。
小さな言葉尻に過敏に反応しちゃうのはやっぱり意識してるから。
「何を教えようか?」
「えと……」
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