君伝3…4.2章 キス争奪戦

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普通の言葉で普通の会話なのに、なぜか彼から目を逸らしたくなる。 だけど、本当に彼が教えてくれるつもりなのが分かってるから考え無いと――。 一番苦手なのは英語だけど、どこが分からないとかも自分で分からない。 いや、それよりも今の状態で何を勉強したって頭に入れる自信がない。 自信というより、キャパが全然足りない。 美穂が言葉を詰まらせているとクスッと笑う声。 「それじゃ、前回の模試の結果を見せて」 「えっ? やっ、あれは本当にひどいからっ!」 「だから勉強するんだよ」 いつかした会話と同じ。 まるで今でも同じ学校で、先輩と後輩で、男子バスケ部の部長とマネージャーで……。 そうだったらいいのに。 「あぁ、過去完了とか過去分詞の使い方が分からないのかな?」 「あ、多分……」 「実践英語ではそれほど気にすることはないんだけどね、受験となったら話は別だし。ここは昔のことを言ってるからhaveがhadに変わって……」
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