夢の終焉

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高速の途中のサービスエリアで軽い夕食を取り、それから二人は家路についた。 その頃には柚子の頭から先程の微妙な雰囲気のことも消え去ってしまっていた。 まだ今日一日の興奮が冷めやらず、饒舌に話し続ける柚子とは対照的に、どんどん口数が少なくなっていく証に柚子は気付いていなかった。 家に着いた頃にはもう9時近かった。 こんなに一日みっちり遊んだのは初めてで、柚子の体は心地よく疲れていた。 ブーツを脱いで開放感に浸りながら、柚子はうーんと大きく伸びをする。 「お風呂どうする? 潮風に当たったからやっぱり入ったほうがいいよね?」 コートを脱ぎながら、柚子は証にそう尋ねた。 証は顎に手を置いて考え込む。 「…………そう……だな」 「待ってて、すぐ用意するから」 柚子は笑ってそのまま浴室へと向かった。 証はその後ろ姿を見つめながら、ぎゅっと強く拳を握りしめた。   …………これで、最後。 柚子の笑顔を見るのは。 今この瞬間から、気持ちを切り替えなければならない。 …………一体柚子は、どんな顔をするだろう。 泣きながら、自分を詰って、責めるだろうか。 そして、激しく自分を憎むだろうか。 ズキッと鋭い痛みが胸を貫き、証は胸元を押さえて強く瞑目した。  
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