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(そっか……私がガチガチだから……五十嵐さん緊張ほぐそうとしてくれてるんだ……)
五十嵐の真意がわかり、柚子は膨れっ面を引っ込める。
続いて、はにかみながら笑った。
「………はい。随分リラックスできました」
柚子の笑顔を見て、五十嵐も緩く微笑む。
そしてそのまま、二人の距離を詰めるように五十嵐は柚子に近付いた。
五十嵐の手がゆっくりと柚子の髪に触れる。
顔が近付いてきたと思うと、次は強めに口づけられた。
(…………うわ………)
髪を撫でられながら、深く深く、唇を奪われる。
徐々に激しくなっていくキスに、五十嵐が昂ぶっているのだと柚子は感じた。
空いたほうの五十嵐の手が、柚子の指に絡まる。
慣れないながらその深いキスに応えていると、不意に五十嵐の体重がかけられた。
(………あ……)
口付けられたまま、押し倒されたのだと気付く。
自然に、両足もベッドの上に引き上げられた。
長いキスの後、五十嵐はようやく唇を離し、柚子の顔の横に手をついて身を起こした。
耳元で、ギ…ッとベッドのスプリングが軋む。
五十嵐は熱っぽい瞳で柚子の顔を見下ろした。
その瞳を見て、柚子の体が芯から熱くなった。
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