急転直下

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※※※※※※※ 結局、部屋を追い出された柚子と証は、仕方なく奈緒子に指示された部屋に入った。 どうやら会議室らしく、ホワイトボードや長机が整然と並んでいる。 さっきまではお互いに興奮していたが、一定の間が空いたことで今は奇妙な空気が二人の間に漂っていた。 柚子は沈黙に耐え兼ねてそろりと証を窺い見る。 目が合うと、証はクッと吹き出した。 「ぶ。お前ひでぇ顔。超顔むくんでんじゃん。目も腫れてるし」 「…………な」 カアッと柚子の顔に血が上る。 恥ずかしくなり、とっさに両手で頬を押さえた。 一体、誰のせいで眠れない夜が続いていると思っているのか。 「何よ、そっちこそ。ひどい顔してるじゃない」 「俺が?」 「そうよ。そんなにやつれて、痩せちゃって……」 そこで何かが胸に込み上げ、柚子は言葉を詰まらせた。 じっと証の顔に見入る。 自分を見つめ返す証を見て、柚子は思わず飛び付いてしまいたい衝動に駆られた。 だがそれをぐっと堪え、柚子は浮かんできた涙を静かに拭った。 「…………どうして、言ってくれなかったの」 「……………」 「そんなにやつれるぐらいの辛い決断、どうして一人で勝手に決めちゃったのよ」 責めるように言うと、証は困ったように柚子から目を逸らした。  
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