契約が終わる日

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「なんでお前が謝んの」 「………だって私、マグロだったでしょ」 柚子の言葉に、証は呆れたような顔をした。 「当たり前だろ、初めてなんだから。処女なのに積極的に動かれたら逆にひくわ」 「……そ、か。そうよね……」 柚子は恥ずかしくなって布団を口元まで引き上げた。 証は頬杖をつき、ニッと笑う。 「イクってどんなんか、わかった?」 「……………」 柚子はぼんやりと証の顔を見つめ返した。 「………よく、わかんなかった。途中、頭真っ白になったけど」 「………それってイッたんじゃねーの」 「そう…かな。そうなのかな」 空中に瞳をさまよわせる柚子を見て、証は肩をすくめた。 「じゃあハッキリわかるまで続けるか」 「……っ、な、何言って…っ」 「…って、言いたいとこだけど」 証は柚子を見たまま、バフッと枕に頭を乗せた。 「よりによって、明日…っつーかもう今日だけど、出勤時間早ぇんだよな」 「え、何時起きなの?」 「5時起き」 柚子は慌てて壁掛けの時計に目を向けた。 もう夜中の2時を回っている。 「嘘…! ほとんど寝られないじゃない!」 「………ああ。しかも昼からはお前の母親と打ち合わせだし。欠伸なんかしたらぶっ殺されそーだな……」 冗談めかしてそう言い、証は瞑目しながら苦笑した。 「いいから早く寝なさいよ!」 剥き出しの証の肩に布団を被せようとすると、証はぎゅっとその手を握りしめてきた。  
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