3人が本棚に入れています
本棚に追加
黒い封筒を受け取った秋山は、ソレをまじまじと眺めていた。
「その船上パーティーは俺の顧客から誘われたんだが、もう一人パートナーを探せと言われててな」
封筒には黒地に目立つ白で『メルクリウス号への御招待』とだけ書かれている。
「峰岸さん、中を見ても構いませんか?」
「ソレはお前の分だからな、見てから参加の有無を決めてくれ」
そう言って峰岸がペーパーナイフを差し出すと、秋山はナイフを受け取り器用に封を開封した。
封筒の中には簡単な地図が有り『招待状』と書かれたカードが同封されていた。
地図は開催地だろう、港付近の位置に赤で丸い印が記載されて有る。
秋山がその地図を裏返すと、そこには船上パーティーの詳細が記載されていた。
一通り目を通すと前文は豪華客船の宣伝文句があり、後半に注意書で『命を現金化出来ます』と書かれている。
「命の・・・現金化」
秋山は最後の文言だけは読みながら口に出していた。
最初のコメントを投稿しよう!