3人が本棚に入れています
本棚に追加
「説明しよう」
峰岸は言いながら秋山の空いたグラスに酒を注ぐ。
船の上で行われるのはパーティーでは無くギャンブル。それも巨万の富と隣り合わせの死のギャンブル。
人は命を時間に変換する。その時間を使って仕事をこなして対価として得るのが金。
人は命を削り金を稼いでいる。
このメルクリウス号では直接に命を現金化しギャンブルを行う。
「どうだシンプルだろ?」
峰岸は簡単に説明すると自分のグラスに残った酒をグイッと飲み干した。
命懸けのギャンブル。普通なら理解しずらい話だが、秋山には峰岸の言いたいことが理解出来た。
社会の歯車の中で決められた給与を貰い生活する。
そこには努力や能力に応じた額が発生する。
・・・一見すれば。
本当にそうなのだろうか?
本当に自分に、自分の能力に見有った額が発生しているのだろうか?
答えは・・・
・・・NOだ。
最初のコメントを投稿しよう!