第一章

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「まぁ、行けば分かるよ。じゃあ、行こうか。」 稔兄は私の手を引いて部屋から出た。 町をずっと歩いて、着いたのはきらびやかな場所。 目が痛くなるほどの眩しさ。 そこだけ、昼なんじゃないかと思うほど。 「さぁ、此処だよ。」 角屋と書かれているお店だった。 中から出てきたのは綺麗な女の人。 「ようこそ、お出でやす。吉田はん、この子でええんどすか?」 「そうだよ。じゃあ、朔、また後でね。」 稔兄は人混みの中に消えて行った。 私は女の人と目が合ってしまった。 あまりにも綺麗で私が恥ずかしくなった。 「そんなに固くならないでええんよ。行きましょか。」 私は手を引かれてお店に入って行った。
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