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「今日は芹沢はんもいますえ。」
その瞬間、鈴さんの顔が曇った。
たった一瞬だったがそれを見逃さなかった。
芹沢…?
確か、壬生狼の暴れ者。
押し借りや毎日飲みに出掛けているという話を聞いたことがある。
「朔ちゃん、いきなりの正念場や…気張りよ。」
鈴さんは襖を開けた。
私も鈴さんに続いた。
「本日お相手させていただきます、鈴どす。」
「朔…どす…」
人数は六人。
おおよそ、一番上座に座っているのが芹沢さんだろう。
鈴さんは早速、お酌しに回った。
私はどうしていいか分からず、止まってしまった。
「そこの女、此方へ来い。」
私のことを呼んだのは鈴さんに注意された芹沢さんだった。
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