第一章

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私は少し拍子抜けした。 左手に持っている鉄扇で叩かれるくらいのことは覚悟していた。 ただ、安心したのはその一瞬だけだった。 「確か、鈴と言ったな?」 鈴さんは芹沢さんの方に向き直した。 私は少し嫌な気がした。 私はお酌を続けた。 「そこで、脱いで踊れ。」 私は目を見開いて驚いた。 鈴さんも同じ反応だった。 「そ、それは…うちらは遊女じゃありまへん。そないなこと出来まへん!」 その瞬間だった。 芹沢さんは持っていたお猪口を投げた。
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