第一章

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「武士なら何をしても許されるんどすか?うちらの命同然の髪を切るなんて…」 もう黙ってはいられなかった。 こんなに感情が高ぶったのはいつ以来だろう… 鈴さんは泣きながら此方を見た。 だから、身分なんて大嫌いなんだ。 「そこから退けて下さい。鈴さんを離して下さい。」 もう廓言葉なんて使っていられない。 それほど、私の怒りは大きかった。 私は素手で刀を掴んだ。 こんな痛み… 「貴様、何故邪魔をする?儂らの余興を壊しおって…」 私は鈴さんをこの部屋から出した。 この部屋にいるのは壬生狼の人と私だけ。 ごめんなさい、稔兄。 情報収集なんて出来ませんでした。 それより、許せないことが出来てしまったのです。 「何故…?それは私が言いたいです。余興でこんなことをするのですか?武士のお方はそんなことをするのですね。最低です。」 こんなこと言って私に命はあるのだろうか… なくてもいい。 一度は死んだような命だから。
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