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「芸子ごときにそんな嘗めた口を…」
私に向かって鉄扇が振り下ろされた。
瞬間的に目を瞑ってしまった。
耳に聞こえたのは金属音。
恐る恐る目を開いた。
目の前には刀があった。
「貴様、何者だ!」
私の目の前の人はその質問を無視し、私を軽々と抱き上げてその部屋から飛び出した。
よく見ると狐の面を被っている。
「朔、お疲れ様。やっぱり、可愛いね。似合ってるよ。」
この声は稔兄…
私は芸子姿のまま連れ出された。
周りの人々は何かを勘違いしているような雰囲気だった。
「此処までこの子を怒らせるなんてね…」
「ごめんなさい…」
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