第一章

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「朔!無事だったか…」 「晋作、邪魔。」 帰ってきて早々、稔兄は晋兄を殴っていた。 私の手を引いたまま手当てをし始めた。 私は少し安心した。 本当に無事に帰ってこれたんだって。 「どうでしたか?壬生狼は。」 「あんな人たちを武士とは呼びたくないよ…」 思い出しただけでもいらいらする。 私はギュッと手に力が入った。 「それに私が見ただけ…だけど、土方…?だったかな…あんまり芹沢さんのことを良くは思っていないと思うんだ。」 仕方なく局長だから従っているって感じだった。 それにあの時に発した言葉… 『すまない…』 頭から離れなかった。 何かが引っ掛かっているような…
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