第一章

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「流石です。朔は情報収集能力に長けていますね。周りをよく見れています。」 桂さんは私の頭を軽く撫でた。 私はこうして誰かに撫でられるのが好きだった。 誉められるのが嬉しかった。 今も… 昔も… 「ということは近いうちに壬生狼は揺れそうですね…」 桂さんはボソッと呟いた。 大体、当たる。 桂さんの予想は。 「私はやっぱり許せません…あんな人たち…」 「まぁ、その気持ちはとっておけよ。まだ先だぜ?」 私は静かに頷いた。 でも、私にはすべがない。 刀が使える訳でもない。 暗殺が出来る訳でもない。 ただ、周りを少し見れるというだけ。 どうしたらいいんだろう…
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