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「………く!……朔!」
私は名前を呼ばれてハッとした。
昔のことを思い出していた。
無意識のうちに左目を触っていた。
「それで、話の続きなんですけど…」
「はい…」
私は報告を続けた。
今日は珍しく集まりがいい。
いつもならこの半分以下だ。
特にこの二人は来ない。
「だから、晋作は黙っててよ。馬鹿なんだしさ。話が分からなくなるんだから。」
「うるせぇよ、稔麿。俺はいつも静かだろうが!」
いつもいがみ合っている。
二人は、桂さんの話を聞いているのか分からない。
でも、いつも桂さんには信用されているんだ。
「朔もさ、晋作に何か言ったら?死ね。とかさ。」
稔兄は平然とした顔で言う。
いつも思う。
冗談なのか、本気なのか分からない。
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