第一章

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晋兄はじーっと私を見る。 私は逸らせずにいた。 「私には…言えないよ…」 「ほらな!稔麿と違って朔は優し…………」 晋兄に言葉を遮って稔兄の蹴りが飛んできた。 もう見慣れてしまったこの光景。 だから、私も桂さんも止めることはしない。 巻き添えをくらってしまうから… 自然に終わることをただ待っている。 「やっぱり、朔には無理だったね。優しすぎるよ。」 稔兄の勝ちで終わるんだ。 晋兄はそこで伸びている。 桂さんはようやく話が出来ると思ったのか溜め息をついた。 私はただただ見ているだけだった。
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