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晋兄はじーっと私を見る。
私は逸らせずにいた。
「私には…言えないよ…」
「ほらな!稔麿と違って朔は優し…………」
晋兄に言葉を遮って稔兄の蹴りが飛んできた。
もう見慣れてしまったこの光景。
だから、私も桂さんも止めることはしない。
巻き添えをくらってしまうから…
自然に終わることをただ待っている。
「やっぱり、朔には無理だったね。優しすぎるよ。」
稔兄の勝ちで終わるんだ。
晋兄はそこで伸びている。
桂さんはようやく話が出来ると思ったのか溜め息をついた。
私はただただ見ているだけだった。
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