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ためらいなく、『うさうさ☆ちょっぷ』を発動させる僕。
見てろよ、ワンコロ!
いなばちゃんの底力、思い知るがいい!
重心を下半身に溜めたいなばちゃんが、さすがウサギと思わず唸りたくなる華麗なジャンプでケルベロスに襲いかかった!!
●スキル攻撃
「痛かったらごめんねっ!」
【いなばの白うさぎ[R]】→ケルベロス
『うさうさ☆ちょっぷ』
★106ダメージ!
ケルベロス(HP:197876)
うん、いなばちゃん!
たぶん全然痛くなかっただろうから謝らなくてもいいよ!!
などと、定型のセリフと会話した愚かな僕の視界が次の瞬間、真っ赤に染まる。
○スキル攻撃
ケルベロス→【ジキル】
『ヘルファイア』
☆1369ダメージ!
ジキル(HP:0)
[overkill:1358]
*ジキルは気絶した…
ぐはぁ!!
やられたっ!!
まぁ、仕方ない。
どのみち、どうあがいたって勝ち目なんか初めからなかったってことだ…。
ケータイの画面全体を覆っていた真っ赤な炎のエフェクトが消えた後、ケルベロスの足元にぶっ倒れてる憐れな【ジキル】の姿を眺めながら、僕は少し大袈裟にため息をついた。
守護すべき者が倒れたからか、いなばちゃんの勇姿も見当たらない。
あー、ちくしょー。
これじゃあ結局、何しに来たかわかんないや…。
よし、このまま城下町に強制送還されたら、みんなに報告してリベンジに来よう!
僕ひとりじゃ歯も立たなかったけど、『ろっけぽっけ』のメンバーを総動員すれば案外いい勝負ができるかもしんない!
サキさんにはみんなに声をかけてもらって、つくねさんには情報を集めてもらって…。
あと、回復役は絶対に必要だよな!サイファちゃんも呼ばなきゃ!
■SHT■
【サイファ】
もうよい。下がれ。
□■□■
すっかり城下町に戻される気マンマンだった僕のメッセージウインドウにそのコメントが書き込まれたのと、ケルベロスの巨体が跡形もなく大広間から消え去ったのはほぼ同時だった。
■SHT■
【サイファ】
常人ならば耐えきれぬ量のポルターガイストとオーバーキル。愚か者よ、意識があるならば返事をせよ。
□■□■
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