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しかし。
その後に表示された極めてシンプルな選択肢に、僕はさらに面食らう。
→はい
いいえ
…は?なにコレ?
何に対しての『はい/いいえ』?意識があるとかないとかって話?
なんだかずいぶんおかしな質問だな。でも、とりあえず答えないとストーリーが先に進まないよね…。
それに強制送還カウントダウンは依然続いてるし、もたもたしてたらあと一分足らずで城下町まで戻されちまう!
よくわからないまま適当に、僕は『はい』にカーソルが合ったままの状態でケータイの決定キーを押してみた。
「これは驚いたな、あの濃度と衝撃さえ効かぬか。自分のこの目で確かめるまではと思っていたが…、よもやそなたのようなニンゲンがいるとはな」
はい?
えーっと、サイファ…、さん?
それ、何の話?
「ふふ…、これは面白いことになってきた。よかろう、愚か者よ。そなたに下賤なる神を駆逐し凌駕する力を与える。その強大な力、存分に振るうが良い」
え!?
なんかくれるの!?
イベントクリア報酬!?
わーい、やりィ!!
でも僕…、報酬もらえるようなこと、なんかしたっけ?
いなばちゃんのお尻見ながらうひゃうひゃしたり、網タイツ破りたいとか健全な妄想に耽ってみたりしてる間に、三つ首ワンちゃんからボッコボコにされただけのよーな…?
「また会おうぞ、愚か者よ」
サイファという名のキャラクターのそんなセリフを最後に、画面がゆっくりとホワイトアウトしていく。
謎の塔から城下町へ、気絶ペナルティの強制送還―……。
そして再び画面が表示され、すでに見慣れた城下町に戻った僕のすぐ目の前に…、
「ぅわあ!」
「きゃっ!!」
ホントにもう、チューしてんじゃないかってぐらいの至近距離に、サキさんの顔があった。
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