04:愚か者は騙せない

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しかし。 その後に表示された極めてシンプルな選択肢に、僕はさらに面食らう。 →はい  いいえ …は?なにコレ? 何に対しての『はい/いいえ』?意識があるとかないとかって話? なんだかずいぶんおかしな質問だな。でも、とりあえず答えないとストーリーが先に進まないよね…。 それに強制送還カウントダウンは依然続いてるし、もたもたしてたらあと一分足らずで城下町まで戻されちまう! よくわからないまま適当に、僕は『はい』にカーソルが合ったままの状態でケータイの決定キーを押してみた。 「これは驚いたな、あの濃度と衝撃さえ効かぬか。自分のこの目で確かめるまではと思っていたが…、よもやそなたのようなニンゲンがいるとはな」 はい? えーっと、サイファ…、さん? それ、何の話? 「ふふ…、これは面白いことになってきた。よかろう、愚か者よ。そなたに下賤なる神を駆逐し凌駕する力を与える。その強大な力、存分に振るうが良い」 え!? なんかくれるの!? イベントクリア報酬!? わーい、やりィ!! でも僕…、報酬もらえるようなこと、なんかしたっけ? いなばちゃんのお尻見ながらうひゃうひゃしたり、網タイツ破りたいとか健全な妄想に耽ってみたりしてる間に、三つ首ワンちゃんからボッコボコにされただけのよーな…? 「また会おうぞ、愚か者よ」 サイファという名のキャラクターのそんなセリフを最後に、画面がゆっくりとホワイトアウトしていく。 謎の塔から城下町へ、気絶ペナルティの強制送還―……。 そして再び画面が表示され、すでに見慣れた城下町に戻った僕のすぐ目の前に…、 「ぅわあ!」 「きゃっ!!」 ホントにもう、チューしてんじゃないかってぐらいの至近距離に、サキさんの顔があった。
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