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一対五。
圧倒的な数的不利。
多勢に無勢、などという救いのない言葉が冷静に頭をかすめた。
ヘイムダルが加勢してくれてはいるものの、所詮はただのプログラムだ。信頼はできない。
なんせ、何もしてないのにいきなり現れてきたんだ。同様に、いきなり消えてしまう可能性だって十分ある。
瞬間、背筋がゾッとした。
僕は今から、四人の暗殺者の刃によって体をズタズタに引き裂かれ、挙句の果てに、サムライの銃で頭を撃ち抜かれてしまうのか…!?
いやだ、いやだ!
ケータイを持つ左手が急にガクガクと震え出す。
それでもなぜか、画面から目が逸らせない。
軽いパニックに陥った頭が的確な判断を導き出せない。
「ほぁちょーっ!」
再び、肩口から背中にかけてヘイムダルに突進するシャオ。
ヘイムダルの体がくの字に折れる。
ダメージを受けているのは間違いない。
シャオがヘイムダルの相手をしている間に、その両脇からアッシュさんと狂犬たちがジリジリと僕に近寄ってくる。
これはもう…、ダメかもしれない…。
そう思った瞬間。
突如としてウインドウに表示されたメッセージに僕は目を疑った。
□■□■
*【うにゃにゃ】さんからパーティ加入申請がきています
□■□■
え?
うにゃにゃ…、ちゃん?
突然のことに驚いたのも束の間、さらにメッセージは続いた。
□■□■
【裏鬼門つくね】
ちょっと、うにゃにゃ!私が合図を送ってから一斉に加入申請しろって言ったでしょ!?なんで言うこと聞かないの!
【うにゃにゃ】
うにゃ?
【裏鬼門つくね】
いっつもいっつも、うにゃうにゃうにゃうにゃ~でごまかすなッ!
【マイロード☆戮】
ヘイヘイ、ジキルメン!水臭いぜ!オレとお前は一心同体なハズだろレイビー?
【のぞみ】
ひかえおろー!皆の者、ひかえおろー!
□■□■
振り向くとそこに、彼らは横一列に並んで立っていた。
つくねさん、うにゃうにゃちゃん。
そして戮と、JKのぞみまで…!
みんな、なんでここに…!?
「マイページの伝言板でね、あんたと、あのアッシュとかいう男のやり取りを見させてもらったの。それで、気になって追ってきてみればこのザマってワケ」
人差し指を立てたつくねさんのコメントは、深く、深く、僕の心に突き刺さった。
「まったく、あんたもさぁ…。誰かに頼りたいなら、真っ先に私たち仲間を頼りなさいよ!変な奴に頼るからこんなことになるんでしょーが、このバカッ!」
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