壱 -高校二年生はお忙しい-

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ホームルームは案の定自己紹介タイムだった。なんで案の定なのか?テンプレだからだ。帰りてぇ………。 「そういや翼、俺達の担任新任らしいぜ」 「わからん」 「平常運転だな。ちょっと先生から自己紹介させようぜ」 「さいで」 俺はただひたすら興味がなかった。むしろ、なんで興味を持たなきゃいけないんだレベルだった。 「せんせー!まずはせんせーの自己紹介オナシャス!」 「あ、さんせー!」 「いいぞー釧灘ー!」 クラス一丸で教師弄り。中学生か。 先生はといえば、ノリノリで、 「ふむ……確かに人の名を尋ねる時は己から……とも言うしの」 と、なんか古めかしい喋りしながら教壇を叩き…叩くな。自己紹介を始めた。 「私は綾小路雪羅(あやのこうじせつら)!今日からここのクラスを担任されたおにゅーの先生じゃ!ついでに、古文を担当するのも私じゃ!」 クラス一同、「おぉー」とか言ってる。 「因みに何歳ですかー?」 「ふむ、いい質問じゃ。なんと私は22歳、今年遂に念願の教員一年生なのじゃ!」
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