9人が本棚に入れています
本棚に追加
それから名簿順に自己紹介をしていく。俺からすれば割とどうでもいいんだが、自分の前の人間にもなると流石に話を聞く。次が自分の番だからな。
「佐倉梓紗(さくらあずさ)です。ジョブは勇者で、部活には入ってないです。好きなものは……甘いもの……とか………よろしくお願いしますっ!」
拍手が湧かれる。……しかし勇者か。レアジョブを見てしまったな。
「ほら、次あんたの番よ」
俺はそんな勇者様に自分の番だと言われてしまう。ちゃんとわかってるが、やっぱ勇者に圧巻され、ぼーっとしてしまった。俺は立ち上がり、自分の自己紹介を始める。
「…佐原翼だ。ジョブはなし。趣味もそれと言って特に思いつくことはない。とりあえず、一年よろしく」
こんなのでいいだろ。世の中その程度だ。
しかし、俺が座ると、前からは睨まれ、後ろからは何やら変な視線を受けてしまった。
そしてそんな変な視線を向けていたそいつも立ち上がり、自己紹介を始める。
「清水真生(しみずまお)……です。今年からこの学校に転校してきました、勇者です……よろしくお願いします……」
………あれ?
俺、勇者にサンドイッチされてる?
最初のコメントを投稿しよう!